思えば、関西圏のバンドマンならみんな感じるであろう、生まれて初めて東名高速で東京に向かう途中に、突如あらわれる富士山の壮大さに圧巻され、「いつの日か登ってみたい」と思ってはや11年。
なんだかんだで、機会も無かった。
同じ事を思った事のあるバンド仲間兼仕事仲間と遂に登りましたよ。
この日の為に手に入れたK100Dを片手に、金曜日の夜9時半、都島区のショボイマンション(自宅)を出発。
行くメンツで集合しあって、全員揃って、大阪を出たのは、12時くらいやったかな?(あんまり覚えてない)
前日に深夜までかけて、聞かないCD段ボールを掘り起こして編集した90年前後のJ-POPプレイリストを全力で流しっぱなしで、富士へ向かいました。
朝6時か7時頃、シャトルバス駐車場に付き、昼過ぎのバスで5合目まで上がるスケジュールだったので、それまで仮眠。
目が覚めると….
雨。しかも結構。
シャトルバスで、5合目に到着。
ただひたすら、霧と雨で、2m先が見えないジャリの坂を登り続ける。思ってる以上に、苦痛も無く、高山病もなく、比較的楽に8合目到着。ただなんの景色もないっすよ。到着まで終始、霧。
高速からも富士山見えなかったし、この時点で富士という富士を全く見てません。
山小屋で7時就寝。0時起床。山頂を目指す。
起きた時点で8合目の霧はすっかり晴れて(下はなにも見えない。ただの黒。)、夜空が恐ろしいほど綺麗だった。今までいろんな田舎で恐ろしいくらい綺麗な星空を見て来たけど、間違いなく1位の空でした。
そりゃ雲より高い上空3000m以上の場所やし、空気も済んでるから、間違いなく日本で地上に足が着く状態で一番夜空が綺麗のは富士山です。
空には、ありがたみもなくなる程、流星が流れ続け、ディスタンスな星屑が一面に散りばめられてる。
宇宙図鑑に乗ってる写真と同じです。
というか、黒い地平線の陰は確実に地球が円形であるように続き、そこは地球上であるのが疑わしかったです。徒歩で行ける宇宙です。
4時前に山頂に到着。
待つ事約一時間。じんわり東の空が明るくなり、雲海らしきモノが見えてきた。
雲海を見たいというのが俺の中で、重要なテーマだったので感動した。
暗い雲海のグレーと空の紺色とオレンジの太陽光が、信じられないくらいに美しいグラデーションでした。
その時、あたりから歓声が。
ご来光です。
光の屈折なのか、何故か地平線の向こうではなく、手前の雲の中から太陽がポカリと登場。
「太陽さん入られまぁす!おはようございます。」です。
その頃には、雲海もはっきり見え、それはもう、この世のものとは思えない絶景でしたよ。
入りの済んだ太陽さんは、目に見えるほどすごい勢いで空を登り始め、目的終了。
さんざん、するかどうか悩んだお鉢巡りを開始。
結論。鉢はめぐるなという事です。
そこまで、みんな「楽勝やな富士山!」モードだったのに、すごい勢いで体力を奪われた。
唯一の収穫は、雲海に映る影富士とその富士山にかかる円形の虹を見れた。後に、コレらは、一年に一度見れるかどうかのシチュエーションだと現地の人に聞かされ、「じゃぁ、結果的によかったという事で」的な、展開。
あたり一面、雲海だったので、ありがたみも減りながら下山開始。
4時間ほどで、バス乗り場に戻った。
というか、下山が、かなりしんどかった。足が信じられないくらいに痛いし、言う事聞かない。
さらに…登りは霧と雨で何も見えなかったから分からなかったけど、シャトルバス乗り場まで下山しても、雲海だった(苦笑)
「ここで良かったのでは?」は禁句。
結果として、霧と雨だった事は良かった。
登りで快晴だったら、確実に日光にもっと体力を奪われてたし、見上げた富士山の全容に「どこまで続いてるねん!」と諦めかけたかもしらんし、雲海も、バスで登った時点で見えてたら、感動も薄かっただろうしね!
なんしか、無事帰宅したわけであります。
思った事としては、意外と誰でも登れると思います。
ただ、道を登ればいいだけやし。
でも、日帰りは絶対無理。
山小屋をとるべし!ただし、みずしらずの人と超接近状態で寝ないといけないけど我慢。基本、一畳に三人で寝かされます。
あと、天空の人たちは、かなりエラそうです。いちいちキレてたらキリがないので、気にしないようにしましょう。
9.5号の(富士宮ルート)「胸突山荘」という山小屋は要注意。
最低です。
支払う意思のある、有料トイレを借りたいお客さんに泥棒呼ばわり&罵声。富士では、杖が売ってて、山小屋に着く度にその杖にスタンプラリーのように有料で焼き印を押してもらえるんやけど、集めた焼き印が詰まった杖を折って、謝罪もしない。
いくら疲れても絶対に寄っては行けません。
的が自分ではなくても確実に気分を害します。頑張ってスルーしましょう。
まぁ、でも天空の住人なのできっと普通の人間より偉いのです。
カリン様がエラいのと同じです。仕方ない。あきらめましょう。
でも、いろんな事を差し引いても、感動がたくさん落ちている事は確かです。
絶対登った方がいい!
機会があれば人生に一度は挑戦してみてください!
まぁ正直、「2度と登るか!」とはっきり言えるほど、体が痛いですけどね。
ちなみに今回の写真は拾ったのではなく自分で撮ったぜよ。
たくさんあるので、また公開します!