安田という所まで京橋で撤去された自転車をとりにいきました。
あ、火曜の朝の話です。
んでもってね。保管所は最寄に駅がないって事で、バスでとりに行ったんですが、なんか、鶴見区の区役所で乗り換えたりしないといけなくて。
バスとか、ほとんど乗らない人生を送ってるので、どういうノリなのか分からず、乗り換えのときに、時間になっても来ないバスに焦って、時刻表を何度もチラチラ見ていると、ベンチに一人だけポツンと座ってたお爺さんが、俺の方も見ずに「10分以内には絶対くるから安心しとき」と声を発した。
「わしは、毎日ここからバスに乗ってるけど、まぁ遅いときで15分くらいで、まぁほぼ10分遅れ以内には来るんじゃ。間違いない」
「へぇそうなんですか」と返すと、突然、「わしも、もう87になってな。前まではココ(目の前を指差し)におったんじゃが、あ、ココ、警察な。警察やっとったんじゃ。定年して、もう27年かな。自転車で移動しようと思うんじゃが、怖いわ。女の子が自転車の前と後ろに子供乗せとるじゃろ?あと、中学生みたいなんが、歩道一杯に広がって自転車のって。あれ、危ないわ。」と、話だした。
「あぁ、危ないですねぇ」とさらに返すと、「ほれ来た。」とバスが到着。
バスでは席が離れ、降りる直前に、「ども」と会釈をすると、無言で、いかりやの「おぃっす」の様なそぶりをされた。
ほんの少しの会話だけど、なんかわからんけど、心がホッとすると同時に、熱くなった。
(なんやこの感じ?)と思ったら、心当たりがあった。
俺の爺ちゃんは、団地住まいで、団地の自治会の会長などをする正義感の強い爺さんで、不良を見つけては注意し、無造作に止められた自転車達を見かけては、綺麗に整列させるようなタイプで、人と話するのが好きで、エレベーターで一緒になった人には、ほぼ声を掛ける。
で、どこかしら小粋で、シャイで、いつも別れ際は、声をださず、オッスのポーズをする。
今の時代の考え方では、場合によっちゃ、周りから見たら変な厄介爺さんなのかもしれないけどね(苦笑)
あ、顔は全然違うかったけど、爺ちゃんと同じ質感を感じたんやわ。と気付く。
まだまだ、元気に健在やけど、そんな爺ちゃんが、前まではシャイに無言にポーズだけで見送ってくれてたのに、最近1年に2、3度あうと、必ず「ゴウシ。また来てくれよ。わし寂しいわ。」と言葉で送るように変わったことに婆ちゃんが痴呆気味になってきた数年前に気付いた。
そのバスの車中で、乗り換える前から見てた、暇つぶしにiPodに入れてたグレンラガンの11話を見ながら最後尾の座席で、うっすら涙を流したのは、シモンが立ち直ってよかった嬉しさからなのか、爺ちゃんに会いたくなったから涙が出たのかは、自分でも不明です。
そんな爺ちゃんは詩吟アーティストでもありますw