カルメラ沖縄遠征2012 中編
カルメラ沖縄遠征2012 中編

カルメラ沖縄遠征2012 中編

前回ブログの続き
今回はほぼ文章のみで書きます。あらかじめ言いますが長いのでご了承をw

6/17 すなわち3日目の夜ココイチでの晩ご飯かさかのぼる事数時間。
いや。プランを練ってからは3日間。具体的内容を考え出してからは約1日半が経過していた。

結果的に彼は一切気づいてくれなかったけど、伏線は張り続けていた。

その数時間前にいった比地大滝付近で、やたら不自然な穴が開きまくった岩がたくさんあり、しかもいくつかの岩をよく見ると、多分戦時中の人が書いたであろう雰囲気の古い文字で、漢字とカナで岩に文字が掘られてあり、「大尉」がどうたらこうたらみたいに書かれてあった。
調べたくても場所は圏外やし、沖縄という土地柄、勝手に想像力が膨らんで、「岩の穴はきっと銃弾の跡っぽいね。きっとこの滝の前で自決したひとが最後に残したメッセージかもね」などと話していた。
(※結果的に後々調べると全然違ったんですが。苦笑)

実際、その瞬間は勝手にそうに違いないと思っていたので、「実際、沖縄の心霊スポットってどこ?って前、沖縄の人に聞いたら沖縄は悲しい歴史が多いし島全体がそういう意味では心霊スポットみたいなものやで。って言うてたし。だったら夜は間違いなく心霊スポットやろね。」などと話していた。
伏線張るチーム僕「なんか頭が痛いなぁ」
伏線張るチーム辻本「大丈夫ですか?なんか連れて帰ってきたんちゃいます??」
などのセリフを声を張り気味に言ってみるが彼には届かない。
そこに偶然が味方をし、「ドシャ」。
振り向くと何故か歩いているヒデヤ君が通った直後に大きな枝が折れて落下してきた。
彼は、とくにそういうエピソードと結びつけてくれる様子もなく、ただ笑っていた。

そう。
彼にドッキリを仕掛けるというのがこの日のメインイベントだ。
僕らは何も決まっていない所から全てのストーリーを、彼のいない隙や、車2台の移動中にLINEを駆使し様々な打ち合わせを行った。
前日までに決まっていたのは、「ひとまず何らかの心霊スポットに行って霊を連れて帰ってきて何人かが取り憑かれる」という所までだった。
そして、その比地大滝からの帰り道。

LINEミーティング 発信 ゴウシ
「三線を弾く人が、たくさんの人を楽しませれるように祈ったウンバチウタキという所が、今は芸能の神様的な感じでパワースポットになってて、それがイチャリバ峠という所にあるという設定で。
そのパワースポットは強烈すぎて、逆に夜はヤバすぎる心霊スポットになってる」
ということだけ思いついた。
毎日ジャンケンで車と部屋のチーム分けを行っており、一台は禁煙、一台は喫煙にしてたので、不自然にならないように、「タバコを吸いたいから変わってくれ」とヒデヤ君のワガママの様に演出しパクチャンと変わったりしながら、ミーティングを重ねた。

そして俺は思いついてしまった。
彼が変に気づいてしまうことをさける為にも彼も仕掛人側だと思い込ませればいいのだ!!!
その前に設定説明だが、カルメラのサックスつーじーは幽霊だの心霊だのにことごとく弱くスーパービビリなのである。以前、奈良で俺とパクちゃんとヤスヲ君(当時のサポートドラマー)とでドライブに誘い出し、奈良の心霊スポットに連れて行ったら激ビビリしていたエピソードなどがあり、それはバンドで話していた。

「夜ご飯終わった後に、せっかくやし早く寝るのももったいないから、有名な夜景と星のスポットを見に行こうって言うて、つーじーを騙して、心霊スポットに連れていってビビらせへん??」

つーじーがビビったり怖がったりするというシチュエーションが大好物の彼は予想通りすぐ「やりましょう」との返事。

ここから先は、パクちゃんがメールで全員に送ったシナリオ通りに笑えるほど進んだ。

この日の朝、つーじーはバーの仕事の電話が結構長電話となっていた(実際)。
ココイチで俺は「そいえば、つーじー、仕事の電話大丈夫やったん?」と繰り出す。
「そうなんですよ。店長が最近変わって、新店長から、これどうしましょ?って電話がいっぱいかかってて。うわ、噂をすればまた店長からです。」と言って、電話を片手に店から出て行った。
もちろん電話はなっていない。シナリオなのです。
店から見える外の駐車場の奥の方で座り込んで長電話風の雰囲気を出すつーじー。
残されたメンバーになった瞬間。「どうする???」
何度も沖縄に来てるヒデヤ君が予定通りのセリフをはく。
「ひとまず、俺が昔来た時に、みんなでいった心霊スポットがあって、それが結構やばくて…」
と俺がLINEで送った設定を話だす。
覚えれていない所は、俺がリアルタイムでiPhoneで調べてるテイで電話を見ながら「あ、それヤバそうやな。」とアシスト。
「で、その時は何人か帰ってからヤバくなって」
的なエピソードを話しだした。
つーじーが戻ってこないか心配で必死に店の外の様子を見る彼。
俺は「よく分からんけど、そこいこう!ひとまず俺がiPhoneで調べて先導するわ」と宣言。
俺のメールの合図で長電話から戻ってくるつーじー。
そこで彼が何を思ったか自分から口を開いた。

「この後どうします?僕、せっかくやし夜景とか星とか見たり、なんかしたいですわ。」
あまりのしらじらしい演技に、全員が吹きそうになるのを必死にこらえるw

ちなみに、この夜は天気も悪く、星一つない曇り空で霧も少し出ていた。苦笑
俺「よし。ほな夜景の有名なスポットいこう」

俺が乗ってた方じゃない車を、彼は運転していた。
彼と同乗したヒデヤ君は仕掛ける「ゴウシくん、テンションあがって行くことになったけど、結構ヤバいねんな。ちょっと言うたこと後悔してるわ」
※ここからは消去法で答えが分かるので名前は伏せます。
もう一人がキレ気味に口を開く「おれ、全然乗り気じゃないわ。いややわ。」

俺はひとまず帰りが遅くなるのは嫌なので、ホテルの近くにあった普通の森林公園にカーナビをセットした。
念のためにそこが実際に心霊スポットではない事だけは念入りに確かめた。笑
車を進めると、「いちゃりば峠(架空)」の名前がいかにもふさわしいような山道に入っていった。
ただ一つ、完全に「森林公園→」みたいな看板が出てしまっているので、みんな必死に笑いをこらえた。

「いちゃりば峠」を上りきった駐車場に車を止め、ここからは歩くという設定。
もちろん、俺自身も初めてくるし、ヒデヤ君が来た事あるというのも嘘なので、ここからどうしようか迷っていた。
奇しくも、何故か車を止めたら、雲に隙間ができ、実際にとてつもない星空だった。そして夜景もそこそこ綺麗だった。
そしてラッキーなことにまた圏外だった。

俺「うわ、圏外やからどうやって行けばいいか調べられへんから分からんわ…」
ヒデヤ「前来たときはここに、脇道みたいなん上がったような気が…」
みたいなやりとりをしたと思う。
辻本「え??え???なんの話ですか??星綺麗やん。さらにここから何処か行くんですか??」
全員「??笑 どしたん??」
パク「ゴウシ君これどこ向かってるんでしたっけ?」
辻本「うわ、これもしかして??」
俺「いちゃりば峠にあるウンバチウタキっていう所がめちゃくちゃヤバい心霊スポットで、そこを探してるねん」
辻本「うわ〜〜〜〜!!ホンマにアカン。。これはアカン。しゃれならん。帰りましょう。え??もしかしてみんなグル???」
爆笑する彼。
ひとまず最終的にエンディングの設定がフワッとしてしまう理由を「圏外」になすりつける事が出来、つーじーも驚いたし、実際そのウタキに行くのはヤバいなら、ここで帰ろうという事に。
帰り際に「ワッ!」とか言ってつーじーを驚かせてみたりする彼。
つーじーも「うわ。ほんまにやめて。勘弁して。」みたいなリアクション。

俺の運転する車チームだったつーじー。つーじーが乗り込みバタンと扉を閉めた。
俺「100点。よくやった。」

ホテルに戻る途中、彼の運転する向こうの車の様子は分からなかったが、酒を買おうとコンビニによった時点で、向こうの車がウマくやってくれてるのはすぐ分かった。
俺「あれ?あの二人は??」
彼「なんか頭が痛いらしくて、車で待ってるらしいです」
俺「はは。まぁ今日はいっぱい遊んで疲れたからな。」
彼「ですよね。まぁ僕もそう思うんですけどね…。」
俺はなんの事か分かってないキャラを通した。
あとあと聞くと、霊を連れて帰ってきたと完全に思った彼は、このコンビニでハシャイでる俺チームの事が気に入らなかったらしく、異常のなかったいがっちょさんに、「ヤバいで。でもこういう所で、みんなではしゃいだりする事で、霊がとれたりするし、やっぱ人間も霊も一緒で、弱い奴をいじめたりしてしまうもんやねん。あの二人はやっぱり心が弱かったから、あんな風になってしまったから、ひとまずいがっちょさんは、そのままで良いから」とアドバイス。
彼に問いかけるいがっちょさん「やっぱり見えたするん?」
彼「見えたりはしないけど、感じるんは感じる。結構ヤバいと思う」
俺は種明かし後の為に、体調を崩した二人のビールをこっそり買った。

ホテルに到着、すかさず彼の運転する車のフロントガラスにこっそりとつーじーの愛用ワセリンを手に塗り、手形をピタっとつけた。

ホテルに着くやいなや、普通に考えたらおかしいのだが、ここで俺が
「ちょっとレコ発ツアーのミーティングを始めるのでこっちの部屋に一旦集合で。」
夏秋のツアーの担当場所などを決める真面目なミーティングを始めた。
完全に体調悪そうな二人のメンバーに「大丈夫?」と声をかける他のメンバー。
大事なミーティングの途中に、頭が痛く体調を怖しずっと黙っていたたなっちが口を開いた。
「ちょっと呼ばれてるので出ます」
といきなり席を外す。ひとまず「え?」という空気だけを作りミーティングは続け簡単に終了した。

「なんか、ちょっとヤバそうやな。」
彼に「ちょっとあの二人ほんまにヤバそうやな。頭痛いって言うてるし、俺らビール飲んでもたし運転出来ないから、冷えピタ的なヤツ買って来てあげてくれへん??あと、念のために清めの塩も。」
「分かりました。」と、カルメラのイイヤツ代表いがっちょさんが「おれも付いていくわ」と挙手。
コンビニへ向かう為にドアを開けると、外にたなっちの愛用の帽子が落ちてる。
ひとまず、コンビニへ向かってくれました。車に乗るやいなやフロントガラスの手形にビビるに違いない。

「玄関でて左に回った所に隠れています。」とたなっちからのメールが来ていたので、ダッシュでたなっちを呼びに。
そこから慌てて、オチの準備。
大きなベランダの窓ガラス何枚もの全面にみんでワセリンで手形まみれに。。
■イメージ図

そして、真っ暗闇にテレビのアナログ放送の砂嵐。(本当はタイミングよく勝手に付くようにしたかったがリモコンの電波が届かず諦めた。)
あわよくば、一部始終をDVD特典に出来ないかとビデオカメラも仕込んだ。
そして、メインとなる、服を着たままズブ濡れのたなっちが部屋の真ん中に立つ。
準備が出来た所でコンビニに行ってる彼といがっちょさんに電話をし、予定通りのセリフを伝える。
「たなっちが、行方不明やから心配やから探してくる」
残された5人のメンバーは、騙された怒りを緩和させるために、全裸で押し入れに隠れる。

後でいがっちょさん聞くと彼は「こういうのんを冗談でするのが一番あかん。こうなるの分かってた。」的なことを必死に解いていたそうだ。

いつ戻ってくるか分からないので、必死に声を殺して、汗だくの押し入れにいること約15分。
狭い空間にもちろん全裸で5人も入っていれば、メンバー同士の突起物的違和感も感じつつも声には出せず。

そして、遠くから少しずつ彼といがっちょさんの声が聞こえてきた。
緊張は高まる。
ドアが開く音。
暗闇の部屋の真ん中に立ち尽くすズブ濡れのたなっちをテレビの砂嵐が照らしている。
部屋の電気が付く。
いがっちょ「たなっち???どうしたん???何あの窓????」
彼「ひとまず、たなっちおったんなら、一旦みんな呼び出すわ。」

俺(小声)「せー…(心の中で1、2、3) せーのっ。」
全員「うわ!!!!!!!!!!!!!」

ひとまず外の状況が分からず闇雲に飛び出したけど、ちらっと見えたのは、2メートルくらい吹っ飛んで、腰を抜かしてるコバヤン。
あとで動画で確認したら、カメラの位置をミスったことに気づいた。
平然と余裕ぶってるコバヤンは、声とは裏腹に、ズブ濡れのたなっちにビビりすぎて、部屋にも入ってこれておらず、入り口付近で立ち尽くしており、たなっちに駈け寄ったいがっちょさんとズブ濡れのたなっちしか映ってなかった。笑 と、全裸で騒ぐ大人が5人w

あっちゃん「全然びびったりしてないわ!!やーい!」
俺「コバヤン!ヤバいって言うてたあそこ、全然、なんの霊力もない、ただの森林公園です!!!!残念!!!」

とはいえ、いがっちょさんによるとコンビニで清めの塩を買う際も、「アジ塩ではあかん。良い塩を買わな」と言うくらい、本当にキレそうなくらい心配しすぎたコバヤン。本当にごめんなさい。
そして、写真にも動画にも残らない、素晴らしい笑いをありがとう!!
以外にもこの一日で、カルメラメンバーがみんな結構演技が出来ると確認出来たのも収穫やなw
しかと心のシャッターに刻みました。

ちゃんと取れなかったけど雰囲気の分かる動画のキャプチャ。
■二人がコンビニから戻るの図。

■そこにズブ濡れのたなっちが…の図。

■心配して駆け寄るいがっちょさんの図。

■「ウワ!!!」と押し入れから全裸の大人が出て来て体調悪いはずの二人も大爆笑の図。

ひとつ気になったのは、ドッキリ発覚後、コバヤンが「ちょっと怪しいなと思うとこいっぱいあった。」とか言い出して、「はい。はい。」って聞いてたら、「だって、コンビニから帰ってきたとき、部屋からつーじーとかの笑い声してたのに一気に黙ったでしょ??笑」と言い出した。
完全に俺らは15分ちかく、無言で黙り続け押し入れに閉じこもり、メンバーの息だけが聞こえてる状態で過ごしたのは間違いない。

それでは、残りはサラッとまた書きます!