若い頃はずっと誰かになりたかった。
中学の頃はXになりたかったし、高校時代はイエモンかSOPHIAになりたかった、大学時代はミッシェルになりたかった。
成人してからはhot hip trampoline school、PE’Z、THE COLTS、小西康陽さんになりたかった。
大好きな洋楽ももちろんたくさんあったけど、「自分の好きが溢れてライブに行けばある種手軽に生で見ることができる邦楽アーティスト」の方が、自分の目標にしやすかった。
その「目標」の人たちへの「好き」の熱量で、「背中を追う」というと素敵だが、その人たちのやってることをある種なぞるように、音楽人生を生きれば、成立していくし。
「目標」としてた人たち(上記してた中では小西さん以外)が解散したり活動をゆるめたりで、見てた背中はなくなり、ある種、「道しるべ」をたくさん失ったここ7〜8年、一体「何」を思って音楽活動するのかと日々自問自答していた。というか「している」かな。
事実、昔よりも曲作りがとても難産になった。
きっと、新たに「道しるべ」にしたい対象が自分の中に見つからないというよりは、自分にも「音楽的自我」が青春時代よりもしっかり芽生えてたのだと思う。
4年くらい前はピークにこれにとても悩んでいた。
『「何」を思って音楽活動するのか?』、その「何」はきっと今現在、カルメラのステージを見に来たり音源を聞いてくれるカルメリアンのためであり、若い世代の誰かに背中を見せながら誰かの道しるべになるためなのだろう。
上京して3年。
大好きな「音楽」を、誰かの真似事ではなく、誰にも迷惑がかからない趣味ではなく、それが「音楽」を職業にした責任なのだ。
文字にするととてもシンプルだけど、あの頃相当悩んだそれに気づけたのは、事務所の市川さん、そして同じく音楽を生業としている仲間のおかげです。
日々精進。たくさんの人にありがとう。